最近何かと話題の多い着物業界ですが、「着物業界がなぜ衰退したのか?」の考察が、トゥゲッターにまとめてありました。
https://togetter.com/li/1188565
これを読んで本当に、このまとめ通りだと思いました。
簡単に言うと販売数が少なくなった分、一件あたりの単価と利益を上げる。そうするとさらに販売数が少なくなる。という悪循環に入っている。ということです。
私も着物を扱う知人がいて1着ぐらい欲しいなぁ思って値段を聞いたところ、「とりあえず人前に出れるようになるにはセットで50万円。」ということでとても手が出ませんでした。50万円があれば家族みんなで沖縄ぐらいには行けてしまうわけで。。。。なかなかこの値段を「お父さんのおしゃれ着」には出せません。
この悪循は、住宅業界も他人事とは思えません。かつて1年に200万件建っていた物が、今は80万件そしてこれからも下がる一方、という予測が出ています。
建築件数が少なくなった分を一件あたりの単価で稼ごうと、付加価値の高い家を、と各社色々なものを研究し打ち出しています。そして、それは全て値段に反映されています。
そのうちに、着物のように手の届かない遠い存在になってしまうような気がします。
さらに国土交通省の示しているロードマップでは、まだまだ住宅の性能を上げていかなければなりません。建築の職人不足も深刻で、労働単価も上がることはあっても下がることはないと思います。
この流れはもう止められることは出来ません。
一番恐ろしいのは手が届かなければ、最初から選択肢に入らない、ということです。
着物業界の知人もいる中で本当に申し訳ないのですが、
「今度何着ようかな?着物かな?」と思ったことは一度もありません。
それと同様に最悪15年後ぐらいには、普通に働く子育て世代が住まいのことを考えた時に「新築の注文住宅」というのは選択肢に入っていない可能性が十分にあるのかもしれません。
ただ人間住むところがないと生きていけないので、「住まいに関する仕事」のそのものは残るはず。。
どんな形で残るのか私には見通せませんが、どうなっていても対応できるよう日々の仕事を頑張ろうと思ったまとめ記事でした。